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2009年9月

2009年9月 3日 (木)

strange fruits

とっても多感(?)な10代の時。
たまたまテレビ(NHKだったと思う)でジャズの特集をやってました。
ビリー・ホリディの生涯をたどりながら、
「strange fruits」を解説するという趣旨でした。

strange fruits、南国の果実かなあ、
と思ってたら大間違い。

奇妙な果実というのは、
樹に吊るされた人間のこと。
当時の南部で行われていた黒人のリンチ。
樹に黒人を吊るして、火をつけて・・・。

淡々と進められる解説のせいで、イマジネーションがえらく刺激されました。
まるでその場に自分がいるような気すらしてきて、
ものすごくショックでした。
何がショックって、
そういうことがつい最近まで行われてたこと。
アメリカという身近に感じる国で。
こんなにも残酷なことを「人間」が「人間」にやっていたこと。
私も同じ「人間」という種類であること。
もし、生まれた環境(時代や文化、風土、教育、を含む)が違っていたら、
私がその樹に吊るされていたかもしれないし、
あるいは嬉々として「果実」に火をつけていたかもしれないこと。
そう考えると、恐ろしくて恐ろしくて眠れなかった。

・・・しばらく経って、
今ここにこうしていること、
吊るす側でも吊るされる側でもないこと、
そんな出来事をおかしいと感じることができること、
それが奇跡のように感じられました。
感謝の気持ちと共に。

その時のショックがトラウマになって、
しばらくビリーの歌が聴けませんでした。
でも、少しは物事がわかるオトナになった今、
落ち着いて、その深い声に耳を傾けることができるようになりました。

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